ネコガミ

第一章『平凡な日常との別れは一瞬にして明解』

暑い…。
それにしても暑い…。

季節が季節だけに暑いのは仕方がないが何でこんなにも太陽はこの星を照らすのだろう？

なんてくだらない哲学を語った所で燦々とふりつける熱い日差しと紫外線を止めることなんて出来やしない。

「ふぅ……。」

俺は小さく溜め息を吐くと雲一つない快晴な空を見上げた。

「…暑いわね。」

その時であった。

まるで俺の心の声を聞いてたかの様なその一言に俺は後ろから聞こえる声の主に目線を促す。

そこには、肩に掛かるくらいの黒い髪をかきあげパッチリとした茶褐色の瞳で俺と同じ様に空を見上げる一人の少女が立っていた。

　何となくではあるが、俺と同い年位に思われるその少女は俺の視線に気がつくとめんどくさそうにこちらを眺め淡い桃色の唇を動かすと俺に向け言葉を発した。