こんな毎日

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政宗は小十郎の息子だ。しかし、産んではいない。……いや、男だから云々の話ではない。もう、そういう細かいところは大人の事情。生温かい瞳で見つめよう。 とりあえず、採れたての野菜をふんだんに使った素敵雑炊の完成。カボチャのすり潰したもの等々、栄養満点。小十郎はいい奥さんになれるだろう。 「うー!あー!!」 しかし、政宗は気に入らないのか不満げに唸っている。肉を食わせろ!魚はどうした!!と言っているのだろう。 だが、政宗はやっと乳歯が生えたばかり。そんなもん、無理に決まっている。 「政宗、野菜は体にいいんだ。食わねぇと、隣のガキみてぇになるぞ。」 その言葉を聞いた瞬間、政宗が固まった。 隣のガキ……、猿飛さんちの幸村だ。幼稚園の年長さんである幸村は、とても元気一杯。どうにも政宗を気に入ったらしく、スキンシップとして幼い政宗に大車輪を喰らわせたのだ。 それ以来政宗は、純粋なその心にトラウマという名の恐怖を刻みつけたのだった。 あんな真っ赤っか野郎になる位なら、と先ほどまでの苦情は一切口にせず、黙々と小十郎が差し出すものを口へと迎え入れた。 「うまいか?」 「うー」 小十郎は自分もちょいちょいと料理を口に運びながら、かいがいしく政宗の世話をするのだった。
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