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食べ終わった食器を片づけ居間に戻ってみると、さっきまで元気に起きていた政宗はすやすやとソファの上で眠ってしまっていた。
その可愛い寝顔に小十郎は破顔しながら、そっと政宗を抱き上げる。
もっと大きく、健やかに育ってほしい。
足を寝室に向けながら、小十郎は切に願うのだった。
ピンポーン
「片倉さーん?猿飛デース!
……いないのか?」
片倉と書かれた表札の前で首を傾げるのは真っ赤……げほん、幸村くんの保護者である猿飛佐助だ。
この時間ならいるはずだけど……、とお隣さんならではの疑問を口にしながら試しにドアノブを回してみる。と、すんなり開いてしまった。
「あーぁ。なんて不用心!」
おじゃましまーす、と勝手知ったる何とやらでズカズカと入っていってしまった。
「おいなりさん、ここに置いときますね~……って、ありゃりゃ。ここだったのか。」
居間の隣、寝室には政宗を寝かせている間に寝てしまったらしい小十郎が。二人とも気持ちよさそうに寝ている。
「クスクス、二人ともいい夢見てんのかな?気持ちよさそうに寝ちゃって。」
気配を消して、起こさないようにその場を後にする。
きっとこのまま夕方まで起きないだろうから、いつももらってる野菜のお礼に晩御飯でも作ろうかな?と呟きながら、そっとドアを閉めるのだった。
そして、晩御飯の時間。
晩御飯を届けにきた幸村と、政宗の元気のいい声が団地に響くのはもう少しあと……。
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