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お母さんには、もう会えないのかな――。
「彩音お嬢様、その……猫のコスプレ? 的な美少年は一体……? ハァハァ」
車に乗った瞬間回想シーン用に用意していたセピアフィールドを突き破って、いかついサングラスのおっさんが眼前に迫って来た!
どうやら運転手の様だが挙動がおかしい。
「タカ落ち着け!
これは本物の猫耳だ」
あや姉が説明する。
タカは余計興奮した。
何とかタカを鎮め、やっとあや姉の家、というか何だこれ(後々知ったが“御屋敷”と言うらしい)に着いた頃にはタカ、いや夕方になってしまった。
車は大きな門を潜り邸内に入ると、やがて玄関であろう場所に静かに停車した。
建物は古い和の様式を採っていた。
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