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「彩音お嬢様、お帰りなさいませ。
おや、そちらの少年は?」
屋敷に入るとさっそく執事に目をつけられた。
「ただいまトッシー、拾ったの~」
何の捻りもなく普通に笑顔で拾ったと答えるあや姉にトッシーさんはどう対応して良いのか分からないみたいだった。
それからぼくは長い廊下をいくつも通り抜け何度も角を曲がり、ある部屋の前に連れて来られた。
幸い猫なので入り組んだ通路を覚えるには苦労しなかった。
けどここは何の部屋なんだろう。しかもここだけ洋室。
あや姉は一呼吸置くとドアをノックした。すぐに中から返事が返ってきて内側からドアが開いた。
部屋の中からあや姉に似た大人の人が現れて、ぼくの顔をじっと見つめた。
思わず一歩後退る。
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