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「今晩は。私、基地テレビアナウンサーの 馬田 池留 と申します」
馬田は丁寧に自己紹介をし、男と握手をすると、相手からとりあえず椅子に座るようにと勧められた。
「まさか本当にお会い出来るとは、今回のご協力誠に感謝致します」
馬田はどこまでも丁寧だ。
「いや、いいんですよ。
インタビューを初めて下さい」
夜想はソファの上で脚を組み替えながら冷静な笑顔でそう言うと、顎に添えた手を上唇を覆うように移動させた。
ブーツからジャケットまで黒一色のレザー素材、それに掛かっているしなやかな灰色の長髪が身体の動きに流れるように連動し、黒猫を思わせる。
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