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射し込む車のライトと走り来る音だけで、後は勘に頼って川辺は大村を車へ突き出した。
衝突音と甲高いタイヤの鳴き声は同時に聞こえた。
大村の体は跳ね上がり、頭から地面に着地した。
(これは完全犯罪ではないだろうか)
咄嗟に考えた割には、あっさりと成し遂げる事ができ、川辺自身が驚いていた。
ブナの木に隠れたまま、川辺は事の成り行きを見守るつもりだった。
運転席のドアが開き、ドライバーが降りてくる。
ドライバーは携帯のライトを頼りに大村に近づいた。
そのシルエットからドライバーが女性だという事がわかる。
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