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きっと自責の念にかられている事だろう。
戸惑いながら大村の脈を確認し、女は深いため息をついた。
(意外に冷静だな……)
そう思っていると川辺の横辺りで、ガサガサと葉や草の擦れる音がした。
女が音に気付き、息を飲んでこちらを振り返った。
少し後退りする。
「誰かいるの!?」
この時ばかりは、開き直っていたはずの川辺の心臓が鼓動を早めた。
息を殺して川辺はブナに隠れたまま、音がした方向に目をこらした。
暗闇に二つの小さな光が浮かんでおり、女を捉えている。
「ひっ」
ミャーゴ!
猫だった。
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