ネコババ

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暗闇に溶け込んでおり、目だけが光っていた。 猫は警戒するように女を睨み付けながら、大村を守るようにしてアスファルトに降りる。 たまにこちらも見る事から、川辺にも気付いているのだろう。 「目撃者はあんたって事ね」 女は白と黒の虎縞に向かって言った。 女が短いため息をついた瞬間、辺りが白く閃いた。 すぐに耳をつんざくような雷鳴が轟く。 稲光によって女が照らされた。 色白の肌に大きな瞳。小さい鼻と口。 唇は厚くどこか色っぽい。 (なかなかいい女だ……) できれば違う場所で出会いたかったと川辺は密かに思った。
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