プロローグ

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いずみは水着デザインの会社で働いている。 会社と言ってもいずみを含めて三人だけの事務所だ。 その会社の社長であり、極一部の人間にはそれなりに人気があるデザイナーが星野純子だった。 夏コレが終わり、社長は今日から一週間の夏休みに入った。 星野は夏休みになると下界との連絡を一切断ち、この高田林の別荘で過ごすのが例年の事になっている。 社員であると同時に弟子でもあるいずみは、明日が休みなので遊びに来るように誘われていた。 同僚の出水可奈子(いでみずかなこ)は今日が休みだったので先に行っているはずだ。 不意にいずみの携帯が鳴った。 いずみはエアコンの吹き出し口の横に目をやる。 開いてセットされた携帯の液晶画面が明るく光っていた。
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