689人が本棚に入れています
本棚に追加
大村は動かなくなって横たわっている。
「くそったれ!」
川辺は吠えるだけだった。
しかし、貸してもらえたかどうかはわからない。
素早く行動しなければならなかった。
藪蚊が容赦なく川辺を餌食にする。
川辺は煙草に火を点けると、煙を辺りに吐きちらした。
これで少しは蚊の猛攻も減る。
川辺は大村の死体を道脇まで引きずった。
アスファルトで整備された道路も、この時間帯では通り過ぎる車は少ない。
誰に見られる事もなく、川辺は雑木林へと入って行った。
目撃者はいない。
川辺の頭には名案が浮かんでいた。
最初のコメントを投稿しよう!