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私は他の女の子たちと一緒に、『待機』と呼ばれる店の一番奥の席に座って、お客さんと山本さんが話をしているのを見ていた。
お客さんは頭のハゲ上がった中年男性で、山本さんと親しそうに話をしている。
山本さんはお客さんとの話を終えると、すぐに待機にやって来た。
「マホさん、翔子さん、3番テーブルお願いします」
「は、はいっ!」
心臓がドクドクと音をたてて脈打っている。
「あのお客さんは常連さんでね、いつもマホさん指名なんだけど、新人が入ると指名したがるんだよ。マホさんはこの店で働きだしてから長いし、安心していいよ」
山本さんは私にそう告げると、マホさんにも「翔子さんをよろしくね」と言った。
マホさんは、私にニコッと笑顔を見せて、「行こうか」と言ってくれた。
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