CLUB rainbow

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暗い夜道を歩き、やっとたどり着いたのは、外と変わらぬ暗い部屋。 部屋の電気を付け、素早く家着に着替えると、再び電気を消して、化粧も落とさずに布団に潜り込む。 蛍光塗料の僅かな緑色の光がうっすらと部屋を照らす。 この部屋を借りた当初から付いていた蛍光灯が切れた時、電気代の節約の為に、蛍光塗料が施してある蛍光灯を買ったのだ。 この灯りの中にいると、すごく落ち着く。 薄暗い部屋の中で、今日を振り返る。 しかし長い1日の中で思い浮かぶのは、rainbowの事だけ。 借金もあるし、お母さんに仕送りもしなくちゃいけない。 なんとしても、CLUB rainbowで頑張って、稼がなきゃ。 アカリさんは、どうしてあんなに怒っていたんだろう? やっぱり、アカリさんの指名のお客さんから、ライターをもらったのがいけなかったのかな? これからは、例えライターでもマッチでも、貰うのはよそう。 緑の光が消えかけたころ、私も目を閉じた。
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