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目が覚めた時には、もう昼を過ぎていた。
だるい体を起こし、髪をかき上げながら目をこする。
髪も顔も洗わずに寝たせいで、逆立てた毛とヘアースプレーが絡まりあって、鳥の巣のようになってしまっている。
頭を手で抑えると、バリバリの髪の毛の中にヘアピンの感触があるのがわかる。
更に悲惨なのは睫だ。目やにとマスカラが固まって、ヒジキのように束になってしまっている。
けれど、そんな事より何より、私は枕元を弄って真っ先に携帯電話を探し着信を確認する。
私の携帯に着信があるとすれば、母からの着信だけなのだが、寂しい人間のせめてもの足掻きだ。
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