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「ほら、やっぱり」
浅田さんは呆れたような、見下すような笑いを浮かべながら言った。
「いえ!違います違います!そうじゃないんです!」
私は大きく首を振って否定したが、大袈裟なジェスチャーが逆にわざとらしいような気がして、どうしたら良いかわからなくなってしまった。
どうしようかと考えあぐねていると、ちょうど良くカシスオレンジが運ばれてきた。
「失礼します」
ボーイさんはそう言って、私の前にカシスオレンジを置き、何事もなかったように立ち去った。
二人の間に沈黙が流れる。
「いただきます……」
私はカシスオレンジを一口飲んでみた。
カシスオレンジって、こんなに濃い味なんだ……。
もっとサッパリした味かと思ってた。
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