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アカリさんが私の前で立ち止まると、強烈な轟音が私の耳に響いた。
その音にビクッと体を震わせ、恐る恐る顔を上げた。
轟音の正体を突き止めるには、そう時間はかからなかった。
アカリさんは私の顔の真横のロッカーを殴りつけたのだ。
あまりのアカリさんの勢いにたじろぎ、たった今自分が入ってきたドアまで後ずさりする。
アカリさんは沈黙のままじわじわと目前ににじり寄る。
硬直したままの私を、蔑視(べっし)とも睨むとも区別のつかない、それでいてひどく無表情な顔で見詰めている。
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