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店員さんは後輩らしき人物"マミちゃん"に水を頼んでくれた。
嫌だ嫌だ嫌だ!
水なんて貰えない。
私は病気でもないし、パニクってもいない。
完璧にまともだ。
「だ……っ……大丈夫ですから……」
なんて間抜けなんだ。
他人から見たら明らかに大丈夫じゃない。
ダラダラ汗をかいて、ハァハァ言いながら座り込んでる私は、持病の発作が起きた老人のように違いない。
店員さんは、後輩マミちゃんに渡されたペットボトルを差し出しながら私に言った。
「大丈夫だよ、新品だから。ついさっき私が休憩の時に買ったの。口つけてないよ」
違う!
違うんです。
店員さん……
間接キッスが嫌なわけじゃないんです。
例え飲みかけだって光栄ですよ……。
なんだか今受け取ったら、
「新品なら頂きます」
みたいに思われるんじゃないかと思って、余計に受け取れずにいた。
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