恋しちゃったみたい

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問題は母だ。 お客さんからのチップを貯めて、ちょこちょこ母に仕送りをしているせいか、最近は機嫌がいいが、いつ機嫌を損ねるかわからない。 母の怒鳴り声を聞きながら休みを過ごすのは嫌だ。 この二連休だけは、母から電話がないことを祈る。 あぁ……難しい事を考えるのはよそう。 今日は自分へのご褒美だ。母のことを考えて憂鬱な気分になりたくない。 私はそんな事を考えながら足早に歩いた。 初めてこの街に来た時には、ドキドキしながら見上げた夜の街のネオンが、今は心地いい。 酔っ払いや通行人を避けて歩くことに慣れた。 けれど、未だにキャッチを無視して歩くのには慣れない。 私が小心者なせいか、田舎者なせいか……。 おそらくその両方だろう。 ヒールの音を軽快に鳴らし、歩く。 そして、2人目の胡散臭いキャッチをビクビクしながらスルーしたところで、携帯の着信音がなった。
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