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「二年間付き合ってた子がいたんだけど、複雑な家庭の子で、お金ないって言うから、その子が働いてるキャバに毎週毎週飲みに行ってさ……。現金も渡してさ……。結局、その子はその金でホストに貢いでたんだけど。浮気も結構してたみたいだし。実際ヤッてるとこ見ちゃったし……笑えるよ。本当」
ミノルさんは溜め息を漏らすように笑い、すっかりぬるくなってしまったカクテルを飲み干した。
「そんなの、ひどい……」
私は喉が詰まって目頭が熱くなるのを感じた。
涙が出そう。
私なら、ミノルさんをそんな目にあわせないのに。大切にするのに。何でもしてあげるのに。
「ごめん!暗い話になっちゃって。こんな話つまらないよね」
私の気持ちを感じとったのか、ミノルさんは精一杯の明るさで言ってくれた。
「そんなことないです!ミノルさんのこと知れて嬉しいです!」
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