頼れる存在に

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私はバッグを探そうと、勢いよく立ち上がった。 「痛ッ!」 寝起きのせいか、二日酔いのせいか、フラついてしまった私の足が布団に引っかかり、豪快にコケてしまった。 思いっきり打ち付けた左の膝に、激痛が走る。 「あぁぁああ!っもう!」 その場に座り込み、痛さにも自分にも苛つき、枕を鷲掴みにすると、思いっきり投げつけた。 私には枕投げの才能があるのかもしれない。 枕は思った以上に飛距離を伸ばし、着地しても尚、くるくると回転しながら玄関の方へ行ってしまった。 投げたのは自分なのに、枕を恨めしく思う。
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