新天地

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私は熱いシャワーを軽く浴び、出掛けることにした。 夜の街は怖い。 財布は持たずに靴下に2万円を隠し、1万円を握りしめてホテルを出た。 私は街灯に引き寄せられる虫のように、ネオンに吸い込まれていく。 平日の夜なのに、人が多い。 やっぱり都会はすごい。 キャバクラ ホスト ラーメン屋 看板や雑居ビルを見上げてフラフラ歩いていると、酔っ払いのサラリーマンにぶつかってしまった。 「どこ見て歩いてんだよ!デブ!」 「ご、ごめんなさい……」 私は目を合わさずに謝った。 サラリーマンは「チッ」と舌打ちをして千鳥足でどこかへ消えた。 サラリーマンに怒鳴られ、すっかり萎縮してしまった私は、どこかへ逃げ込みたい気持ちになった。 もうホテルへ戻ろうか…。 その時、 dining&bar 和み屋-NAGOMIYA- という看板が目に入った。
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