下積み

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そういえば以前、浅田さんの彼女だか友達だか知り合いだかよくわからないけど、物凄い美人が来た時のこと。 何かに悩んでいた彼女はすごく落ち込んでいて、浅田さんに会いに独りで来店した事があった。 浅田さんは親身になって話を聞き、最後には跪いて薔薇を一輪、スッと差し出した。 しかも爽やかな笑顔で。 イタリア人かと思う。 浅田さんは優しいなぁと感じつつ、美人が羨ましくなる。 私が美人だったら、花をプレゼントしてくれる人がいたかもしれない。 美人が羨ましい。 浅田さんみたいなカッコイイ男の人に花を貰えるなんて、私みたいなブスには大枚はたいたって無理だ。 ちょっとワイルドなジュノンボーイみたいな浅田さんには、モデルみたいな超ド級の美人がお似合い。 意志が強そうな切れ長の目に、男らしい喉仏。 「俺のポリシー」とか意味の分かんない理由で、調理師のくせにはやしてる顎髭とか。 超セクシー。 ジュノンボーイと美女と薔薇。 CDのジャケットだったら、下手な歌手だってミリオンセラーだ。
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