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火曜日はレストランの定休日で、テレアポも夕方までで終業だ。
仕事がない夜は、とにかく寂しい。
以前、火曜日の夜だけ雇ってくれる所はないだろうかと探してみたが、見つからなかった。
人見知りの私が仕事を探すのは、ひと苦労なのだ。
そんな寂しい火曜日の夕方、私はいつものようにテレアポの事務所でタイムカードを押した。
タイムカードに刻まれた【18:04 (出)】の文字が重たく心にのし掛かる。
駅までゆっくりと歩いた。
今日は、なんとなく家に帰りたくない。
何もない部屋に一人でいたくない。
そうだ、和み屋に行ってみよう。
ミノルさんは居るだろうか。
もしミノルさんが居たら、今日は勇気を出してミノルさんに飲み物を奢りたい。
なんて言おう?
「ミノル君も一緒に飲んでよぉ~
アタシはねぇ、ミノル君とお酒飲むためにこの店に通ってるのよぉ~?」
エミコさんの甘えた声が頭をよぎった。
あんな風には言えないなぁ……
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