197747人が本棚に入れています
本棚に追加
/720ページ
もう少しまともな服を着なくちゃダメだ。
私は晶子さんの店まで走った。
途中、コンビニのATMで20万円を引き出した。
お金を引き出す時に少しだけ躊躇したが、今は緊急事態だ。
「すみません!
服をください!」
晶子さんの店に着くなり、私は大きな声で叫んだ。
今日は勝負の日だ。
和み屋に行って、ミノルさんに会う。
私にとって、最大のビッグイベントだ。
つい、力が入る。
私の声にビックリしたのか、マミちゃんは整理するために持っていた服を落としてしまった。
慌てて拾い上げ、私のところまでやってきた。
「いらっしゃいませ」
晶子さんが見当たらない。
マミちゃんと知らない店員が二人いるだけだ。
「晶子さんは?晶子さんはいないんですか!?」
マミちゃんはちょっとムッとした顔で、ぶっきらぼうに言い放った。
「里見店長は休みです」
最初のコメントを投稿しよう!