下積み

11/42

197747人が本棚に入れています
本棚に追加
/720ページ
もう少しまともな服を着なくちゃダメだ。 私は晶子さんの店まで走った。 途中、コンビニのATMで20万円を引き出した。 お金を引き出す時に少しだけ躊躇したが、今は緊急事態だ。 「すみません! 服をください!」 晶子さんの店に着くなり、私は大きな声で叫んだ。 今日は勝負の日だ。 和み屋に行って、ミノルさんに会う。 私にとって、最大のビッグイベントだ。 つい、力が入る。 私の声にビックリしたのか、マミちゃんは整理するために持っていた服を落としてしまった。 慌てて拾い上げ、私のところまでやってきた。 「いらっしゃいませ」 晶子さんが見当たらない。 マミちゃんと知らない店員が二人いるだけだ。 「晶子さんは?晶子さんはいないんですか!?」 マミちゃんはちょっとムッとした顔で、ぶっきらぼうに言い放った。 「里見店長は休みです」
/720ページ

最初のコメントを投稿しよう!

197747人が本棚に入れています
本棚に追加