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私はそれからの間、ミノルさんと浅田さんの会話を聞く羽目になった。
「浅田先輩、仕事が忙しいみたいですね。羨ましい限りです」
「よく言うよ。
お前こそ自分の店持って、ずいぶん稼いでるみたいじゃねーか」
「何言ってるんですか!俺は先輩みたいになりたくて頑張ってるんです」
「全くお前は、昔から口がうまいよな~。見習いたいよ」
浅田さんとミノルさんは同じ専門学校の先輩と後輩という間柄らしい。
浅田さんはミノルさんの一つ先輩。
ということはミノルさんは25歳!?
しかも、この店の経営者がミノルさんだったなんて……。
ミノルさん、スゴすぎる……
そんな驚愕の事実を知っても、無口な私は黙って話を聞いているだけ。
浅田さんがいなければ……
ミノルさんと二人きりで話ができたのに。
もちろんカウンターには、敵がたくさんいるけれど。
でも、このまま二人の会話を聞いているのも良いかもしれない。
私は黙っているだけで、ミノルさんという人間を、より知ることが出来るのだから。
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