197747人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前の手って職人みたいな手だよな」
……この人にはデリカシーってもんはないのだろうか?
ミノルさんにも私の汚い手を見られてしまった……。
顔が熱い。
例によって私の顔は真っ赤なはずだ。
「お前の手、傷だらけだな。
女の手じゃねーよ。
そもそもゴツイし。
俺がお前に仕込みさせるようになってすぐの頃、包丁の使い方がほんっとに下手で、よくバッサリ切ってたもんな~」
まだ言いますか……
確かに私は、村上さんが辞めたために厨房掃除係から昇格し、やっと仕込みをさせてもらえるようになったのだが、業務用の包丁の大きさや鋭い切れ味に馴れず、よくケガをした。
「バッサリって言っても、2センチくらいじゃないですか!」
私は思わず浅田さんに言い返してしまった。
最初のコメントを投稿しよう!