下積み

32/42
前へ
/720ページ
次へ
「お前どこにいる……?音楽が聞こえる」 和み屋の店内に流れる有線放送の事だ… 私は慌てて左手で通話音量を下げた。 「ラジオだよ。家にいるよ…… 今、音量下げたよ……」 「……お前、まさか夜遊びしてるんじゃないだろうね?」 「してないよ。 本当に家にいるよ」 「お前が県外で割のいい仕事があるって言うから一人暮らしを許可してやったんだ。アタシに金送るって言ったからさ!!」 まただ…… この人はこうなると止まらない。 「遊び歩ける金があるならアタシに金送りな!!この親不孝者!!お前はアタシをなんだと思ってんだい?親だよ、親!その年までアタシが苦労して育ててやったんだよ!女手一つでね!もう本っ当に情けないったらないよ!」
/720ページ

最初のコメントを投稿しよう!

197747人が本棚に入れています
本棚に追加