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「い、いいえ!私こそごめんなさい。誉められ慣れてなくて……。マミちゃんとは友達じゃないんですけど、前回来たときにマミちゃんに服を選んでもらったんです。もう一年以上前ですけど……」
「そうでしたか。マミちゃんは一年くらい前に辞めたので、その後すぐかもしれませんねぇ。ごめんなさい。これからは私で良ければ、また是非いらっしゃって下さい」
何をおっしゃるウサギさん……
私めはあなた様にお会いしたいが為に来ているのです……
ただ外見ばかりを作り替え、中身は幼稚で性悪の[人間らしい心を忘れてしまったサイボーグ]なのです。
というか、あなたに憧れて整形まで決心したんですと言いたくなったが、止めておいた。
「はい!絶対また来ます!今日はありがとうございました!」
私は恥ずかしくなって、そそくさと店を出た。
やっぱり晶子さんは違う。
格が違うのだ。
ただ顔が綺麗なそこらの女とは、そもそもが違うのだ。
私は晶子さんの店から50メートルほど歩いた所で振り返り、晶子さんの店に向かって力強く、けれど小声で「好きです!」と呟いた。
近くを歩いていたサラリーマンがびっくりしていた。
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