天才投手

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その後、みんなに球を見せてくれと頼まれ、次郎はマウンドに立った。 三年生キャッチャーである小山が、マスクを被りプロテクターをつけ、ミットを構えて座る。 杉下「それじゃ投げてみてくれ」 杉下の声に次郎はコクリと頷くと、真剣な目で構えた。 みんなが注目するなか振りかぶり、ワインドアップからボールを放つ。 右腕から放たれたボールは、"バンッ!"と音を立てキャッチャーミットに吸い込まれた。 「はぇ~」 見ていた野球部全員が、その速さに驚きの声を上げる。 木田「なんでそんな速いんだよ!?三年ぐらいやってなかったんだろう?衰えてねぇのか?」 ずっとやってなかったら、速い球など投げれるはずないと、木田は驚きを隠せない表情だった。 尾崎「野球は辞めたけど、体を動かさないと気持ち悪いから、筋トレとか毎日やってたんだ。それに昔の感覚も忘れてなかった」 次郎は自分の右の掌を見ながら話す。 杉下「よし!尾崎はうちの新エースだ!頑張ってくれよ!」 杉下は期待を意を込めて、気合いの入った声で言う。 杉下「よし。みんな練習始めるぞ!」 「おう!!」 こうして天才投手の野球人生が再スタートした。
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