天才投手 復活のマウンド

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十波中のエース上田がマウンドに上がる。 ノーワインドアップの、横から投げるサイドスローだ。 第一球目はまずまずのスピードで、外角低めに決まった。 木田「それほど速くねぇな。ヘッ!あれで県大会まで行ったエースかよ?」 普通の球速に期待外れだった木田は、鼻で笑いながら余裕を見せる口調で言う。 杉下「あいつの武器はスピードじゃない。大きく曲がるカーブと、それを自由自在にコーナーに決められるコントロールだ!」 余裕の木田に釘を刺すように、杉下は険しい顔で返す。 そして秋山は、外に逃げるカーブで三振に終わった。 秋山「相変わらず凄いカーブ。そう簡単に打てねぇよありゃ」 ベンチに戻ってきた秋山は、マウンドの上田を見ながら、少しがっかりした表情で皆に言う。 続く二番の藤田もあっさりと三振に終わってツーアウト。 三番の次郎が打席に向かう。 杉下「尾崎!頼んだぞ!」 これから打席に向かう次郎に、期待するかのように杉下が言う。 尾崎「やれるだけやってみます」 次郎は振り返ってそう言うと、ゆっくりと打席に向かった。
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