天才投手 復活のマウンド

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注目の五球目は裏をかくストレート! 尾崎「何!直球・・・!?」 カーブ狙いだった次郎が、慌てて打った打球は完全に押し負けた。 ライト方向へ上がった打球は、意外にも風に煽られて伸びる! 全員がその打球を見つめる。 打球はフェンスギリギリで、ライトのグローブに収まった。 上田「振り遅れてあそこまで飛ばすなんて・・・。やっぱりアイツはただ者じゃねぇな」 上田は驚いた顔つきで、ベンチに戻る次郎を見ながら呟く。 木田「惜しかったなぁ~!もうちょっとでホームランだったのに」 木田が残念そうな顔で、ベンチに戻ってきた次郎に言う。 尾崎「俺にカーブを一球も投げてこなかった・・・クソッ!」 打てなかったことより、カーブを投げてもらえなかった事の方が悔しいようだ。 杉下「どんまい。次があるさ」 そんな次郎を杉下が励ます。 十波中ベンチ・・・ 板東「ナイスピッチング!」 板東が手を叩いて喜ぶなか、上田が冷静な顔で飲み物を取ってベンチに座る。 板東「投手戦になりそか?」 上田「いえ。うちにはあいつがいますからねぇ、俺たちを県大会に導いたスラッガーが!」 今から打席に向かう準備をしている打者を見ながら、上田は笑みを浮かべて答えた。
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