5人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
気付いたら放課後。
いつもただ、同じ毎日を単調にこなしているだけ。
…でも、そんな事をほんの少しでも忘れさせてくれるのが放課後だ。
誰も居ない格技場。
この何とも言えない張り詰めた様な空気が僕は好きだ。
何故かわからないが。
物心ついた時には既に剣道のまね事をしていた気がする。
…兄貴の影響なんかもあったのかもしれない。
先輩達が来る前にモップをかけ終えなければ。
身体が自然とエンジンをかける。
不意に
「米山~!!また一人でモップがけか~?」
と、上松が声をあげた。
この空間ではよく音が通る。
上松は同じ剣道部で、調子者だが、皆に愛されている。
「なんだ、いたんなら一緒にやってくれよ~」
そう言うと上松は
「悪い悪い、ちょっとトイレ!」
などと言って逃げてしまった。
まぁ、だいたいは予想していたが。
部活の開始まで後30分か…。。。
最初のコメントを投稿しよう!