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見栄っ張りがゆえに
ある日、急性胃腸炎にかかってしまいました。犯人はたぶん前日に行ったあの寿司屋だと、僕は睨んでます。
急性胃腸炎はだいたいが感染性。学校にも行かずただひたすらに、一時間毎に催す便意に堪え忍びました。
出るは出るは水が出るは。
このままでは脱水になってしまう。身の危機を感じた僕は知り合い、ってか家庭教師先の医者に診てもらう事にしました。
他の患者より後で来たくせに優先的に診てもらいました。けーけけけけけけ。ごめんね?
ベッドに横になりたぶん十数年ぶりの点滴をうちました。
針のチクリとした痛みも我慢し、医者はどこかへ行ってしまいます。当たり前です。ポタポタたれる点滴を親身にずっと横にいられても僕としてもどうしていいかわからないです。
時間がたちました。
徐々に減ってゆく色の悪い液体。そしてやけに痛む右腕。
我慢です。なんたって二十歳越えてるんだもの!
我慢、我慢、我慢。
痛い痛い痛い痛ぇぇぇ!!
でも我慢できない程の痛みでもないんです。
だから必死で我慢しました。小さな子供もこんな点滴くらい毎日してるよ、日常茶飯事だよって子供もいるんです。
大人の僕が我慢しきれないわけ……
医者が来ました。
「あれ?おかしいな。
漏れてる」
…………。
おぉーい。おっほほぉーい。
「痛くなかった?」
痛ぇよこんちくしょう。でもそこは家庭教師という雇い主さんでもあるわけだしニッコリ笑って、「痛かったけど、大丈夫っす」
とか言ってやりました。
抗生物質であるクラリスと、胃腸を元気モリモリにしてくれるビオフェルミンの錠剤をくれました。
あれ?
薬剤師の卵(ヤクザ医師ではありません)である僕はひっかかります。抗生物質であるクラリスは錠剤のビオフェルミンをもやっつけてしまうため、ちょいとガッツのあるビオフェルミンRを使うんじゃなかったっけ?
すぐさま医者である姉に勤務中にもかかわらず緊急との事で病院に繋げてもらいました。
「なんかあったん?」
「おー、クラリスと(以下略)」
「そやね。ほな後で粉末のビオフェルミンRもってくわ」
やはりな。あんのヤブ医者め。役に立つし頼りのある姉です。
数日で病気は治りました。
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