プレスサンドイッチ

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いきなりブチったりしません。なんせ失礼です。男は紳士的でなくては。   そしてまた別の日に。   腹がへった、とメールをすれば、ご飯作ったげる、と返ってきました。   語尾に『ワラ』ってついてたし冗談かと思ってたら冗談ではなかったのです。   鉄人には銃弾だけでなく冗談も通じない。   必死こいて作った、的なメールがきたので仕方なく重い腰を動かして作ったというご飯を取りにむかいました。   一体どんなご飯なんだろうか。晩飯時だったし、弁当とかかなって考えてました。   甘かったです。   本当に甘かったです。   まず弁当を期待してたので大きさもそれなり、かと思ってましたが何か異様に小っさい弁当箱に入ってました。   まだ望みは捨ててません。二段重ねなのかもしれなかったからです。   一段でしたがね。   しかし中は違うかも!   そう思ってふたを開けてみるとそこには二十枚くらいの薄いチップスが入ってました。   「なにこれ」   「サンドイッチ。頑張った!」   「そうか……」   みるみるテンションがた落ちです。   「え、中は?」   「卵」   のみでした。ハム作ったけどおいしそうだったから食べちゃったらしいです。 なんじゃそりゃ!   僕は疑問になっていた核心部分をつきました。   「なんでこんなに薄いん?」   「弁当箱に入りきれんかって、一枚一枚プレスしてきたねん!かしこくない?」   いいえ、箱を代えればよかったのです。   バカだお前は。   「おいしい?」   究極の問いかけがきました。パンも平べったくなり、柔らかいはずなのに固かったです。   なんてまずいんだ。マジでチップスみたいだぜ。しかも卵ばっかかよ。二枚食ったら飽きてきたわ。アホ。   僕は言いました。   「うん、おいしいよ!」   悲しい。
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