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ﾀﾞﾒなﾔﾂ
まぁ……僕の事でもあるんですけどね……
そういえば高校の頃
帰宅途中の電車で携帯を拾いました
知り合いの男の子の携帯です
頭のいいクラスのやつだったんで僕とは一度もしゃべった事はありません。単に「あーｺｲﾂそういや頭ｲｲｸﾗｽの男子じゃん」程度の認識と見解しかありません
そのだんすぃーのｹﾂﾎﾟｯｹから携帯がこんにちは
「ねぇ、拾って！ 僕を拾っておくれよ！」
携帯が愛らしい声でそんな事を呟いているように見えました
携帯おっことしたﾊﾞｶﾁﾝ野郎は地元の駅なんでしょうかね？ﾄﾞ田舎極まりない駅でおりました
さ、拾うか。善意で
その時ﾂﾚとも一緒に帰っていたのでﾜｸﾜｸｿﾜｿﾜしながら携帯をｵｰﾌﾟﾝします
写真は……なんだｺﾚ……自画写ﾒいっぱいある……
「あっ！ わかったｺｲﾂ！ あっ！ あっ！ こいつﾅﾙｼｽﾄや！ わかった！」
言わなくてもわかるような事をいちいち大声で車内でわめき散らす阿呆は放っておいて……
ふぅ、確かにﾅﾙｼｽﾄのｽﾒﾙがぷんぷんしやがるぜ
なんてｲｶ臭……あ、間違えた。ｲｶｽやつなんだ
とまぁ、ﾃﾞｰﾀをいじくり回しているうちに面白い項目を発見いたしまして
その名も
「My voice」
ッ……
まさか……
まさかまさか……
そんな、ﾊﾞｶな事が……嘘だろ……なるほど、そうか
耳をすまして聞きました
「君がどうたら～……♪ 太陽の戦士が～……♪」
的な歌詞だったと思います
もちろん僕はこんな歌知りません
「何この歌？ 最新曲？」
「いいや、子猫も知らんの？」
「いや、ﾌﾟﾛが歌ったらなんとなくわかるかもしれんけどな」
なんとなく、下手臭がしました
いやぁ、自分の歌声を録音して、しかもその歌が自作のものだとはﾋﾞｯｸﾘしましたよ
その男子。MDに自分が作曲したものを幾つか録音して好きな子の誕生日に渡したんですって！
しかもその曲僕の手元まで回って来たよ！
皆、性格黒いね！
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