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四月…。
桜並木の桜たちは蕾をつけ,テレビや新聞では中学校や高校の新一年生の入学式の様子や,新社員の入社式の様子がよく報道されていた。
ベッドの横にある棚の上に置かれた目覚まし時計がせわしなく朝の訪れを知らせる。
―うるさい…。
目覚まし時計の主は布団をかぶったまま手を伸ばして音をとめた。
少しの間,静まり返った部屋にかすかに聞こえてくる小鳥のさえずりを聞いてようやく体を起こした。
「ん~。着替えるかぁ。」
まだ起ききっていない体でベッドからずるずると出て,壁にかけてあったおろしたての制服に目をやった。
「そっかぁ~今日から高校生だもんねぇ。」
よたつきながらパジャマを脱ぎ,ブレザーの制服を着て鏡の前に立った。
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