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「おぉ~なかなか似合ってるじゃん。」
鏡の前で一回りしたあと机の上にあった学生鞄を持ち,携帯を制服のポケットに入れて下の居間に降りていった。
「おはよぉ~。」
居間のテーブルでは父親が新聞を読みながら朝食をとり,母親はせわしなく台所で弁当箱におかずをつめていた。
「あら美依,その制服似合うじゃない♪」
さいばしでおかずをつまんだまま,母親は嬉しそうに美依(ミイ)と呼んだ娘に寄っていった。
「ちょっ,お母さん!!おかず落とすって!!」
美依はあわてて母親を台所に押し戻した。
「和也さ~ん。美依ちゃんがぁ。」
母親は猫なで声で朝食を食べ続けていた父親である和也(カズヤ)に話しかけた。
「美依,あまり母さんをいじめちゃ駄目だぞ。」
新聞をテーブルに置き,優しい笑顔で美依の方を見た。
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