終わりのない螺旋階段。。。

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うっすらと明るさを残した曇り空が窓から見える。 教壇では、担任のK先生がピタゴラスについて説明している。 タレース、プロタゴラス… 聞いたことのない、おそらく試験にしか覚える必要のないであろう人名をつらつらと並べてゆく。 四角く区切られた箱の中で、枠に収められたかのように時を過ごす私達は、一様に西方を向きシャープペンシルをすべらせてゆく。 ボールペンをノックする音 K先生の話す声 かすかな会話 うつろで眠たげな瞳。 チョークが黒板に打ちつけられ、白い文字が紡がれては消えてゆく。 発された言葉すら宙に消え去る。 ーーー…気だるい雰囲気が私達を包む。
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