ご主人様とメイド

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◇◆◇ 「千昭様、着きました。お気をつけくださいませ」 20分ほどすると、学校に到着した。 千昭は無言で車を降りる。恭也は悠を起こして千昭に続いた。 寝起きの悠はすごい不機嫌そうだ。七瀬も続いて降りる。 すると、目の前には立派にそびえたつ大きな門が。その奥には新築したぐらい綺麗な校舎と草花など植物豊かな庭園が広がっていた。 (わぁ…) 感嘆を漏らしながら、七瀬は呆然と立ち尽くす。とんでもない場所に来てしまったと。 「気に入った?七瀬ちゃん」 気に入ったも何も。初めて見る美しい光景に感想も何も出なかった。 「それは良かった」 満足そうに微笑む。 「早くしろノロマ」 「せっかちだなぁチィくんは☆」 「“チィ”はやめろっつってんだろ!!」 終止符の見えない言い合いが再び始まるの見て苦笑を七瀬は浮かべるしかなかった。 四人は広大な庭を通って校舎へと向かう。 「あの二人、ほんと煩い…目、覚めちゃったじゃん」 大きな欠伸をしながら、恨めしそうに横目で千昭と恭也を見る。 七瀬はふと周りの賑やかさに気付いた。 登校してきた生徒が、さっきから四人、いや三人を見て騒いでいるのだ。 (有名人…?)
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