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「おせーぞ、千昭」
スポーツマンって感じの男子生徒が座ったまま大きな声をあげた。
「おー」
(な、流してる?)
七瀬は三人の影に隠れながら、三人は適当に空いている席に座る。七瀬は自分も座っていいのかと躊躇い立ったままだ。
「つめたっ。最近寂しいんだけどー」
「勝手にやってろ…」
「なんか言った?」
「何も」
「七瀬ちゃん?座りな」
『何処に?』
「千昭の隣りとか。どうせ空いてるんだし」
七瀬は千昭を見る。
「いいよねチィくん」
「別に…」
七瀬はそっと千昭の隣りの席に座った。
教室を見渡して、クラスの人達を見た。今のところ登校してるのは8人くらいだ。
「そーいや、君どちらさん?」
さっきの男子生徒に話しかけられた。
「直洋、彼女は北岡七瀬ちゃん。新しいクラスメイトだよ」
「そうなん?へぇ…俺、矢野直洋(やの なおひろ)。よろしゅう」
直洋が差し出した手を握り遠慮がちに握手を交わす。
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