ご主人様とメイド

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七瀬は一気に説明を受けて、少し頭の中が混乱する。情報を整理していると、女生徒二人に声を掛けられた。 「えっと、北岡七瀬ちゃんだよね?」 ハッと我にかえり、彼女達を見た。 やはり金持ちの子は皆可愛いのだろうか…、という考えが浮かぶ。 「あたし、藍宮鈴(あいみや すず)。ポーンなんだ。よろしくっ!」 ショートカットがよく似合う女の子。口調からしてサバサバしていて、ニカっと笑みを向けられる。 「わたしは松山愛海(まつやま まなみ)。私もポーン」 大人っぽい子。少しカールの入った茶色のミディアムヘアーで、ナチュラルメイクをしている。 他の女生徒と比べスカートは短い。 何を言われるのかと自然と身体が強張る。 「あたし達、折角クラスメイトになったから早めに仲良くなりたいなと思ってさ。いいっしょ?」 『ありがとうっ。此方こそ、これこら宜しくお願いします』 「七瀬ちゃん、貴女…」 「喋れないよ。…北岡は喋れないんだ」 シーンとクラスが静まり返る。 だいたい予想はついたものの、悠の発言によってクラスの皆の予想が確定事実となった。 「そうだったの…わたし達はそんな事気にしないから!」 「北岡さんの考えがわかるぐらいにまで仲良くなってやるし!」 愛海と鈴は顔を合わせてこくりと頷き微笑む。 七瀬は二人の気持ちが嬉しく目に涙を浮かばせ、少しはずかしそうに頷いた。 『ありがとう。あ、七瀬でいいよ』 「了解!あたしも鈴でいいからさ」 「わたしも愛海って呼んでね」 最初の触れ合いから順調そうな七瀬達を恭也は微笑ましく眺めていると、ーー。 「いやあ、良かったねー。ね、チィくん」 「俺に振るな」
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