ご主人様とメイド

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珍しい事ではないのか、呆れた様子の鈴達。 すると、小さな声で癒そうに名を名乗った。 「赤羽大地(せきば だいち)」 「あいつは四年生ね」 直ぐにふいっと顔ごと逸らされてしまった。不思議に思っている間にも紹介は続く。 次は女子の番のようだ。 「四年生、権藤寺雫(ごんどうじ しずく)…です。よ、宜しくお願いしますっ」   黒髪で前髪パッツン。少し垂れ目で右目に泣きぼくろがある。着物が似合いそうな和風の大和撫子とはこういう子を言うのだろうか。 しかし、名前を聞いて気付いた。 『名字が一緒…。ってことは、』 「はい、お察しの通り。私と雫は二歳離れた兄妹です」 『そうなんですか…』 妙に感心していると明るく元気な声が上がる。 「次は百花だよね?春原百花(すのはら ももか)、一年生でっす!っていうか、雫可愛すぎるっ。萌えたー!」 苦笑を浮かべる雫に遠慮なくギュッと強く百花が抱き着く。 「モモちゃん、苦しいよ…ははっ」 「苦しんでる雫も萌えっ」 もはや、ストッパーはないようだ。 次第には頬擦りし出していた。 「ハイ、以上がポーンね。次は……、ルークか」 鈴が教室を見渡すが、どうやらいないようだ。次に行こうとした瞬間に教室の外から声がした。 窓が突然開いたかと思うと、そこからひょっこりと顔がそっくりの双子が顔を出していた。 「「呼んだ?」」 (び、びっくりしたぁ…。神出鬼没だ…) 「ぁ、いたいた。自己紹介。次はアンタ等だよー」 「「何々、転校生?」」
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