ご主人様とメイド

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「みちる…、ついにはレズになったか」 その声の主は教室の入り口から聞こえた。 其方に視線を向けると、長身で千昭に負けないくら端正な顔立ちをした男子が立っていた。 両手はポケットに入れていて、髪は金髪で所謂ウルフカット。 一言で言うとチャラそうだ。 「一哉!遅いわよ。言っとくけど、私はレズじゃありません!相変わらず思考がどっかずれてるわ」 「お前が?」 「はあ?あんたがよ!耳まで衰えたワケ?」 みちるは七瀬から離れ、その一哉と呼ばれるチャラ男にぐんと近付く。 「バ一哉!べぇーだ!」 「舐めやがって、このアマ…!!」 「なんか言ったか…あ゛ぁ?」 喧嘩腰なみちるに、眉をひそめて顔を怖くする一哉。 二人の間に火花が散ってる。   「「夫婦喧嘩が始まったぁ」」 始まったー始まったーと踊りだした双子。 (夫婦喧嘩?) 「あの二人は婚約者同士」 疑問符を浮かべる七瀬に、千昭が淡白に言う。 (学生なのに…、本当にそういう関係の人達がいるんだぁ…) 次第に痴話喧嘩が収まれば、みちるが一哉の腕を強引に引っ張って戻ってきた。 「何だよ」 「転校生の北岡七瀬ちゃん。アンタも自己紹介して」 「へえ…可愛い子じゃ、っいた!!」 言葉の途中でみちるに思い切り、足を踏まれてとても痛そうだ。 「俺は、二ノ宮一哉。この煩い女と同じく、ビショップ。彼女大募集中!ぁ、でも他の女の子達とも遊びたいから、あんまり嫉妬しない子がいいな」 愛想の良い笑みを浮かべながら、顔を近付けられる。 七瀬は条件反射で身体を引く。 だが直ぐに頭に拳骨を入れられる一哉。 「七瀬ちゃん。気をつけてね。こんのバカ、女の子には目がなくて、遊び人なの」 みちるは呆れた様に深く溜め息をついている。 「あと、自己紹介してないのは…」 「あ、僕達三人だね。改めて、僕は三上恭也。んで、爆睡中なのが、六条悠。僕と悠がナイトで…チィくんが“キング”」
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