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(へぇ………ん?)
なるほどと思っていると、ふとつっかえるものがあった。
(千昭くんが、キング!?)
口をパクパクとさせて七瀬は驚きを隠せないようすだ。
「あははっ、七瀬変な顔ー!」
鈴が七瀬の顔を見て噴出した。
「可愛い顔が不細工になっちゃうよ?」
変な顔と言われ、自然と顔が火照る。
そんな七瀬を愛海がからかう。
「七瀬可愛い―」
「時間だ。行くぞ」
突然、千昭が時計を見て立ち上がる。
「何処に?」
「花時計前に。集会あるっつったろ」
「あ、そっか。よし、皆行こう」
千昭を先頭として、ぞろぞろと皆は教室を出て行く。
出遅れてしまった七瀬は一人ぽつんと取り残されてしまった。
「七瀬、いこっ」
鈴が七瀬の肩をポンと叩く。
七瀬は嬉しくてパァッと表情を明るくさせると大きく頷いて、愛海も一緒に三人で花時計に向かった。
花時計は昇降口の前にある。春になると、パンジーなどの花が咲き誇って可愛くなると愛海が教えてくれた。
校舎から、出て来ると女子生徒から黄色い歓声が湧き上がる。
(すごいなぁ…)
花時計前には多くの生徒が集まり、ざわざわと騒いでいる。そんな騒がしい生徒を教師が注意しながら、正立させている。
一学年にGまで7つのクラスがあるからだろうか人数がやはり多い。一クラス30人程度だろう。それに比べ半数のRクラスはやはり少ない。でも、オーラみたいのが違う。周りからの視線が憧れというふうにとれる。
揃ったところで先生がマイクを持ち、集会の開始の言葉を言った。
「これから、集会を始めたいと思います。きおつけ、礼」
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