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まずは、今後の行事を先生が話す。
そして、色々な話が終わり先生が千昭にマイクを渡した。
待ってましたとばかりに、黄色い奇声が、わっと沸き起こった。
「皆さん、静かにしていただけますか?」
柔らかな声音で偽の微笑みを浮かべながら言う。すると、女生徒たちはすっかり似非笑顔に騙され、静まってしまう。
「Rクラスから重大発表があります。一学期末に雛菊さんがイギリスに留学していたため、クイーンの称号が空いていました。本日より、我が桜陵学院に転入生がRクラスへ入ります。彼女にクイーンの称号が与えられます」
多くの人衆の前で、身体が硬直してしまう。そんな七瀬を鈴と愛海は心配に思うが、このままでは進まないため七瀬の背を押して前に出してやる。
(!!)
押された七瀬は思わずつまずきそうになって、千昭の隣りに立った。
七瀬は注目されるのが苦手だった。注目されてると思っただけど、喉の奥が熱くなる。
「一礼するだけでいい。俺が代わりに紹介してやるから」
千昭は一時的にマイクのスイッチをOFFにして、七瀬にだけ聞こえるように小声で言う。
その言葉に七瀬はハッとして千昭を見上げると、もう既にマイクをオンにして話し始めていた。
「我がRクラス四年、クイーンとなる北岡七瀬さんです」
七瀬は深く頭を下げて一礼をする。顔を上げると、怪訝そうな顔をする生徒達が目に入る。
(……っ…)
挨拶もしない七瀬を不思議に思ってさわつき始めた。
七瀬は保っていた気持ちが崩れ始めて、俯いて目に涙を貯める。
「実は、彼女は声を失っています。ですので、会話する際は我々が代弁するので理解していただけたらと思います」
さらに騒がしくなる生徒達を尻目に、
一礼しマイクを先生に渡して千昭は七瀬の肩に両手を添えて連れていこうとする。
「ちょっと、真瀬君!何処に行くんだね?まだ、集会は終わってないぞ」
「北岡さんが具合悪そうなので、保健室に連れてきます」
七瀬を連れて、足早に校舎内に入る。そんな二人に続いて、Rクラスの皆も校舎の中に入っていった。
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