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教室に着き、千昭が扉を開ける。
中は、随分と一部を覗いて一般的なクラスの風景だ。
その一部というのは、激しい夫婦喧嘩をしている者や、自由気ままに某棒付き飴を舐めながらヘッドホンつけてボーッとする者や、女性同士で頬擦りしてたり…などなど。
「あ、二人ともおかえりー」
窓際で人間観察をしていた恭也が、戻ってきた二人に気付いて笑顔で、ヒラヒラと手を振る。
「ああ」
「七瀬―!おかえり、大丈夫?」
愛海がご機嫌で七瀬に抱き着いてきた。
鈴は溜め息をつきつつ、薄く笑みを浮かべている。
千昭は直ぐにいつもの席に着いた。
みんなそれぞれお決まりの席があったようで、全員揃った今空いている席が七瀬の席となる。
千昭は窓側の一番後ろの席、縦横四四で机が並べられていて、恭也は千昭の前、悠は七瀬の前で恭也の隣りだ。
みんなの座席は以下の通り。
黒板
直洋|聡|百花|雫
海斗|空南|薫|大地
恭也|悠|愛海|一哉
千昭|七瀬|鈴|みちる
「七瀬ちゃん。ちなみにどうしてチェス制度っ名前か分かる?」
クラスが落ち着いてきた頃に、ふと恭也が思い出したように言い出した。
「チェス好きな現在の理事長がね、俗にいう生徒会のようなものを作ろうと思ったのが始まり」
ずっと、ヘッドフォンをつけて、音楽を聞きながら、某棒付き飴を舐めていた悠が口を開いたので七瀬はビックリした。
ヘッドホンをしていても今の会話が聞こえた事に不思議の思う。
(そうなんだ…)
「ねえ、七瀬。転校早々なのに、千昭の側にいるけど…知り合いか何か?」
唐突に斜め前に居る愛海が尋ねてきた。
どう答えればいいものかと悩んでいると千昭がアッサリ答えてしまった。
「昨日から、俺の家に居候。そんでもって、もはや同棲だな」
『同棲――――――――!?』
しばしの間を開けた後に、クラス中の皆が驚き振り向いた。まぁ普通のリアクションだろう。
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