Rクラス

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「ちょっと、七瀬ちゃん?千昭に無体なことされてないわよね?まさか、もう食われてたりして…!」 少し興奮気味なみちるに肩を掴まれ激しく揺さぶられる。七瀬は必至に首を横に振って否定を表す。 「そう…なら良かったわ」 「おいおい、千昭!説明しろよ!」 一哉はバンッと机を叩いて、千昭に理由を求める。 それに対しての千昭は面倒そうに顔をしかめる。 深いため息を吐けば、右手で頬杖をつき窓の外を眺めながら、呟くように説明した。 「はあ…面倒臭い…。だから、身寄りのない七瀬を俺の親父が引き取って、俺の専属メイドの挙句に昨日から居候してんだよ」 説明を聞き終えたクラスのみんなの反応は、呆然としていた。 「なんて、羨ましいんだ!」 一哉が悔しげに顔を机に伏せながら、右手をグーにして机を叩く。 「あー、もう五月蠅い!」 見兼ねたみちるがポカッと一哉の頭を叩く。 「んだよ!全く千昭が羨ましいんだい!」 「来年になったら、どうせ強制的に同棲すんだから」 「何でお前なんか、と…」 「何かおっしゃったかしら?」 仁王立ちしてるみちるが、黒いオーラを放ちながら、黒い笑みを一哉に向ける。 「アハハ…許して?」 身の危険を直感で感じた一哉は苦笑いを浮かべながら、許しを乞う。 「えーどうしよっかなぁ―…。じゃあ、猫飼うのを許可してくれるなら、許してやってもいいわよ?」 一哉の眉がピクッと動いた。 「だって大地が家で飼っちゃダメって言うんだもん」 (……ん?) 何故そこで大地の名前が出て来るのか、七瀬には分からなかった。 「あ、七瀬ちゃん。言っとくと、大地と私、腹違いの姉弟なの」 大地がバッと振り返り、みちるを睨む。 「何よー。にゃんこ可愛いのに…」 「ふっざけんな!!あんな毛の塊の何処が…何処が可愛いんだよ!!」 「ニャーってスリスリしてくるのよ?可愛い他何があるのよ?」 大地は考えだけでもゾッとするようで、身体を強張らせてる。
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