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「おかえりなさいませ。千昭坊っちゃま」
「和臣(かずおみ)いい加減、“坊っちゃま”はやめろ」
「申し訳ございません。癖でして」
「まぁ、いいや。"例の奴"は?」
「はい。彼女はそろそろの到着のはずですので、それまでお部屋で待たれては?」
「そうするよ」
和臣は一礼して、行ってしまった。
三人は千昭の部屋に移動した。
部屋は勿論のこと、個人部屋としては広すぎるくらいだ。
床は大理石。モノクロを基調とした配色。キングサイズのベッド。薄型の大きなテレビ。L字のソファに一人がけ用のソファ。大きなデスクに最新型のノートパソコン。
更には二つのドアがあって、それぞれバスルームと広々としたウォークインクローゼット。
「暇だね…」
「俺…帰っていい?」
「悠…俺を置いていくのかい?」
「っ……わかったよ」
どうやら、悠は恭也に弱いようだ。
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