Rクラス

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「白いからね―…」 「これなんかどうっスか?」 「なんか良い案でもあるの?」 「聞いて驚くなっスよ?名付けて……、シロウ!」 「却下」 「え、即答?」 聡の案にみちるや他の女子はもう反対。 「絶対色の白から来てるんでしょ?」 「な、何故わかったんスか?自信作だったのに…」 「分かりやすすぎるのよ!アホザル」 百花が聡の頭をポカッと叩く。 (あ、そだ!) 七瀬は提案をボードに書いた。 前に座ってる悠の服を引っ張る。 「ん?」 悠が後ろを向き、七瀬が書いたボードを見る。 「ミッチー先パイ」 「何?案ならどんどん頂戴!」 「いや…七瀬からの提案なんだけど、」 そう言って、悠がみちるにボードを見せる。 みちるさんは目を細める。 (やっぱダメかな?) 「いいね!『しらたま』か」 「しらたま?七瀬、ネーミングセンスあるぅ―」 キャッキャッと騒ぐ百花。 「しらたまでいい人―」 「はーい」 全員賛成で、猫の名前は『しらたま』決定した。 (やった!今から君の名前はしらたまだよっ) 心の中でしらたまに話かけると、意思が通じたのか返事をしたかのように鳴き擦り寄って来た。 (言葉が通じたの?可愛いーっ!) 嬉しさのあまり抱き上げて、思わず頬擦りする。 ~♪~♪~♪~ 突然【着信アリ】のテーマソングが部屋に響く。あまりにいきなり流れたので女子はもちろん七瀬も驚いた。 「きゃぁ―!!」 「だ、誰のよっ?」 雫は思わず悲鳴をあげてしまい、百花ぎ庇うようにぎゅっと抱き締める。 音楽はまだ鳴り止まない。しかも、七瀬の前方からよく聞こえてくるのだ。 (ま、まさか…) 「あ、理事長からだ」 ピッ、ピ、ピ… ……… ……………。 「…何?」   悠が何くわなぬ顔で平然と携帯を取り出して操作をする様子をクラスの皆はただ呆然と眺めていた。 そして、当の本人は何故沈黙になったかわからず皆を見回す。
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