Rクラス

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「お前…ホントに…」 千昭が悠に向かって何か言い出した。皆はそれぞれ期待を胸に視線を集中させる。 「…趣味いいな」 「そーじゃないやろ!」 皆、千昭の言葉を聞いた途端にずっこける。予想外の発言だったからだ。 空かさず直洋がつっこんだ。 「つっこむとこ、そこじゃないんや!しかも逆や逆!悪趣味極まりないやろーが!」 「…俺は好きだけどな」 「いや、アンタは良くても……もう、ええわ」 わざとなのか不思議そうに千昭は首を傾げる反面、皆はもう呆れて何も言えない。 「話が読めない…」 話の状況を理解せずに不貞腐れた様子でムスッとした顔をしながら悠は不満を零す。 「つーか、悠。お前、理事長とメールしてるんだな」 千昭が聞く。悠は携帯でメールを打ちながらすんなり言う。 「うん。メル友だよ。ちなみに理事長だけに設定したんだ、これ」 「お前、ホントに趣味いいわ」 「ありがと」 (なんなんだろ…この二人。なんか…) 掴めない。 七瀬だけではないだろう、そう思ったのは。 それから皆は気を取り直して席につき、各々雑談をし始めた。 「悠…君って人は…」 恭也は言いかけながらも、あいまいにして溜め息を吐いた。悠は頭に?を浮かばせしかなかった。 「今日は何するのかなー?」 「何するのかなー?」 知多ブラザーズが揃って首を傾げる。 『授業ないの?』 「滅多にないよ。自学か、中間とかの大きなテストは二週間前に科目ごと復習講義が行われるんだ」 (え…私頭良くないから、自学でテスト出来ないよっ…) 「大丈夫。きっと、千昭が教えてくれる…」 「は?勝手に押し付けるな」 「同棲してるんだし、それくらいしてあげなよ」 恭也が千昭に説得するが、千昭は面倒そうな顔だ。 『そんなに嫌なら自分で頑張るから…』 「七瀬!大丈夫っ。私と鈴で三人で頑張ろうーよ!」 愛海がフォローしてくれて、七瀬は嬉しく大きく頷く。 「そうだった。お前ら仕事溜まってるんだ」 「はあ?」 唐突な黒澤先生の言葉に皆が振り返って嫌そうな顔する。
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